神道指令の全文翻訳:GHQによる政教分離政策を考察・解説
本日は・・
神道指令の実体
について、考察・解説した。
世の中への不信感、モヤモヤ、死への恐怖
からくる怒りから来る二元論的・偏った負
の見方はしない方が賢明と思うからだ。
探求心や知的好奇心が、歪んだ執着に
変わらぬように・・
高く広い視野で、冷静に物事を捉える
意識付けの参考にしてほしい。
GHQによる神道指令全文
国家神道、神社神道ニ対スル政府ノ保証、
支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ関スル件
昭和二十年十二月十五日
連合国軍最高司令官総司令部
参謀副官発第三号(民間情報教育部)
終戦連絡中央事務局経由
日本政府ニ対スル覚書
(文部科学省HP)
翻訳した神道指令全文
(一部注釈付き)
国家神道および神社神道の政府保証
、支援、維持、監督、および普及の
廃止に関して
(1945年12月15日、民間情報教育部を
通じて連合国軍最高司令官総司令部か
ら日本政府に発行されたSCAPIN-93)
国家が指定した宗教や儀式に対して(直接的
または間接的に)信仰や信条の告白を強制す
ることにより生じた戦争犯罪、敗北、苦痛、
貧困
および現在の悲惨な状況から日本国民を
経済的負担から解放し、国家神道の教え
と信仰を歪め、
日本国民を侵略戦争へと騙して誘導した
軍国主義および極端な国家主義のプロパ
ガンダの再発を防ぐため、
永続的な平和と民主主義の理念に基づく
再教育を通じて日本国民の国民生活を新
たにする計画が発表された。
(A)
日本政府、都道府県庁、市町村や公務員、
従業員などは、公的な立場での神道の保証
支援、維持、監督、および普及を禁止され、
そのような行為を直ちに停止するよう命じら
れる。
※日本政府、国家および地方公務員は職権を
使って国民に特定のイデオロギーを高圧的に
強制してはならない
特に、旧大日本帝国が宗教(神道)を使って
行っていた高圧的支配は私たちが辞めさせ
るぞということ。
戦前の日本が宗教(特に国家神道)を利用して
行った高圧的な支配やプロパガンダから距離
を置いて戦後の民主的な社会において政教分
離の原則を確立しようとするもの。
個人の信仰の自由を尊重し、国民一人ひとり
が自由に信仰を選択出来る環境を保障するこ
とが目的。
(B)
神道およびその神社への公的資金からのあら
ゆる財政的支援および公的要素の導入が禁止
され、そのような行為を直ちに停止するよう
命じられる。
(1)
公的土地や公園に設置された神社への
公的資金からのいかなる種類の財政的
支援も許可されない
しかし、この禁止命令は、これらの神社
が位置する地域での日本政府、都道府県
、市町村による支援継続を妨げるものと
解釈されるべきではない。
※神社と公的機関の癒着は禁止だ!
神社を利用した政治活動や軍事
的支配をしたらぶっ飛ばすぞ。
しかし、地域社会や公共の福祉に寄与する
世のため人のための純粋な支援なら禁止は
しない。
※神社が地域社会における文化的・精神的な
役割を継続しつつ、政治的・軍事的な濫用を
防ぐということ。
(2)
公的資金により部分的または全面的に維持
されている神道の神社に対する個人の財政
的支援は許可される。
ただ、そのような個人の支援は完全に自発的
であり、強制されたり不本意な寄付からであ
ってはならない。
※神社への寄付、お布施の強要を
国や軍が強制したら許さない。
あ、天皇陛下万歳も国や軍が
強制させるのもダメ!
とにかく、神社は軍の持ち物じゃ
ないからジャイアンの真似事みた
いなことはすんなよ。
つまり、日本社会における宗教と
国家の健全な関係の再構築
個々の信仰や表現の自由を重んじる
社会の基盤を築くことを意図したも
のということ。
(C)
神道の教義、慣習、儀式、式典、または
礼式を通じての軍国主義
または極端な国家主義の「イデオロギー」
の普及が禁止、そのような行為を直ちに停
止するよう命じられる。
これは神道に限らず、前述の
「イデオロギー」を推進する
あらゆる宗教、信仰、宗派
信条、または哲学にも適用される。
※「天皇陛下ばんざーい」
「天皇陛下のため、お国のために
1億総火の玉だ!」
こういう馬鹿げたクソ洗脳を
政府や軍が主導したらマジで
お前ら潰すぞ?
つまり、宗教や哲学が国家や軍による
洗脳や動員のツールとして濫用される
ことを防ぐためのもの。
個人の自由意志と信仰の自由を尊重
する社会を築くためのもの。
(D)
伊勢の大神宮および国立神社やその他神社
での宗教的式典に関する指示を廃止。
(E)
内務省の神社局を廃止。
税金によって維持される他の政府機関や
機関が神社局の現在の機能、任務、また
は行政的責任を引き継ぐことを許可しな
い。
※国が神社を利用して国民から税金を
徴取するようなことがあってはダメ。
神社は国のドル箱じゃないし、国民から
税金を脅し取るための暴力装置でもない
個人の自由意志と信仰の自由を尊重する
社会を築くためのもの
つまり、神社と政府との不適切な関係を
避け、信仰の自由と個人の意志を尊重す
るもの。
(F)
神道の研究、学習、普及または神職の訓練に
主に従事するすべての公的教育機関が廃止。
その物理的資産が再利用されるようになり
税金によって維持される任意の政府機関や
機関がこれらの教育機関の現在の機能また
は任務を引き継ぐことが禁止されます。
※神道への従事、教育は純粋な
自由意志に任せる
国や軍が神道従事者、神社参拝者を特定
の思想で洗脳することを固く禁じる
宗教と国家の健全な分離が促進され、民主
的な社会における信仰の自由を保護すると
いうこと。
(G)
神道の研究、学習、普及または神職の訓練を
目的とする私立の教育機関は認められる
しかし、政府と特別な関係なしに、公的資金
の支援なしに軍国主義または極端な国家主義
の「イデオロギー」を普及させない
そのために、他の私立教育機関と同様の
監督制限の下で管理されるべき。
(H)
公的資金により全面的または部分的に維持される
教育機関による神道の教義の普及は、方法や形式
に関わらず禁止。
そのような行為は直ちに停止。
※神道を利用したプロパガンダはダメ、絶対!
ということ。
(I)
公的資金により全面的または部分的に維持される
教育機関で現在使用されているすべての教師用教
科書および参考書は審査される
その中に含まれる神道の教義は削除されるべき。
将来出版される教師用教科書および参考書
には神道の教義を含めてはならない。
※端的に言えば、学校の先生を利用して
国が子供たちを軍事的なカルト洗脳する
のは禁止するということ
つまり、教育が政治的、宗教的な影響力
から自由であるべきということ
学生たちが多様な視点を学び、自らの判断
を形成出来る環境をつくろうということ
学校教育は、子供たちに対する「カルト洗
脳」や軍事利用を目的とした情報提供から
離れ、幅広い知識と批判的思考能力の育成
に注力すべきであるということ
(J)
公的資金により全面的または部分的に維持される
教育機関は、神社訪問または関連する儀式、慣習
、または式典を実施または支援してはならない。
(K)
「国体の本義」「臣民の道」
または類似の政府発行の書籍、評論、
神道に関連する指示の配布を禁止。
(L)
「大東亜戦争」「八紘一宇」など
国家神道、軍国主義
極端な国家主義から切り離せない
用語の公文書での使用を禁止
そのような用語の使用を直ちに停止
するよう命じられる。
※端的に言えば、大日本帝国に都合の
良い偏った解釈を国民に刷り込まない
大日本帝国の政策や視点を正当化して
国民に偏ったイデオロギーを刷り込む
ことを防ぐための措置。
(M)
役所、学校、機関、協会、または公的資金により
全面的または部分的に維持される建物内に神棚
または国家神道のその他の物理的象徴を設置す
ることが禁止され、そのようなものを直ちに除
去するよう命じられる。
※神棚は個人の自由意思、信仰の自由の
元で個人の意思により各々が設置するも
のだろうが。
国家、公的機関が特定のイデオロギーが根ざし
た似非宗教や神を祀り、国民に圧力を掛けるこ
とを禁ずる。
宗教と国家の分離を明確にし、信仰の
自由を保護することが目的。
(N)
公務員、従業員、学生、一般市民、
または日本に居住する人々は、国家
神道または任意の宗教への帰依
または信条の告白をしない、特定の
宗教的慣習、儀式、式典
または礼式に参加しないことで
差別されてはならない。
※国、公的機関が安易に一国民
を「非国民」と断罪するな!
人間には自由意思、信仰の自由
があるからだ。
その自由を大日本帝国が権力
暴力で奪うことを許さない。
(O)
日本政府の役人、都道府県庁、および市町村
は、新任の通知、政治状況の報告
または政府または役所の代表として任意の
神道の儀式
または礼式に出席するために、任意の機会に
関係なく、任意の神社を訪れてはならない。
※政府役人や公務員が公式の立場で
特定の宗教的儀式や礼式に参加する
ことを禁じる。
つまり、政治家や公的立場が強い者
が職務として特定の神社参拝をする
行為自体が国民の自由意志を揺るが
す可能性が高い
いわば、無言の圧力になって
政教分離を妨げる可能性があ
るじゃないかということ。
(A)
この指令の目的は、宗教を国家から分離し、
宗教の政治的目的での誤用を防ぎ、すべての
宗教、信仰、および信条が同じ法的基盤に基
づいて平等に保護されることを保証する。
この指令は神道にのみ適用されるのではなく、
すべての宗教、信仰、宗派、信条、または哲学
に適用され、政府との特別な関係および軍国主
義または極端な国家主義の「イデオロギー」の
普及を禁じる。
(B)
この指令の規定は、すべての儀式、慣習、式典、
礼式、信仰、教え、神話、伝説、哲学、神社
および物理的象徴に同じ効力を
もって適用される。
(C)
この指令で使用される「国家神道」という用語は
日本政府の法律によって宗派神道または教派神道
と区別される。
一般に非宗教的、国家主義的儀式として
分類される神道の一派(国家神道または神
社神道)を指します。
※大日本帝国改め日本国には、国家神道
なるものは存在しない!
宗教の自由と政教分離の原則を尊重し
国家による特定の宗教形態の強制や支
持は禁止だからわかってんだろうな?
ということ。
(D)
「宗派神道」または「教派神道」という用語は
一般的な民間用語および法的に日本政府の法律
によって宗教として認められてきた(13の公認
宗派から成る)神道の一派を指します。
(E)
連合国軍最高司令官によって1945年10月4日に
発行された基本指令「政治的、社会的、および
宗教的抑圧からの解放」により
日本国民は完全な宗教的自由が保証され、宗派
神道は他の宗教と同様の保護を享受し、国家か
ら分離され
その軍国主義的または極端な国家主義
的要素を剥奪された後の神社神道はそ
の信奉者が望む場合、宗教として認め
られ、他の宗教と同様の保護を許可さ
れる。
※神社神道への国家、軍による
不当介入を禁ずる。
国家神道ではない日本の神道とは、その信奉者
により自由に実践されるべきものと定義する。
つまり、国家や軍が介入した支配的、強制的
な国家神道はいかなる場合も認めないという
こと。
(F)
この指令で使用される「軍国主義的または極端な
国家主義的イデオロギー」という用語には、次の
理由に基づいて他の国家や民族を征服する日本の
使命を擁護または正当化する教え、信念、理論が
含まれる:
(1) 天皇はその系譜、血統、または特別な起源
によって他の国家の元首よりも優れているとす
るイデオロギー
(2) 日本人はその系譜、血統、または特別な
起源によって他の国民よりも優れているとす
るイデオロギー
(3) 神の起源または特別な起源によって日本の
島々は他国より優れてるとするイデオロギー
(4) 日本人を侵略戦争に駆り立てるまたは他の
国民との紛争解決の手段として武力の使用を称
賛するイデオロギー
※天皇や日本民族、日本の国土を神聖化して
他国や民族に対する優越性を主張し、侵略戦
争や武力の使用を正当化するイデオロギーを
禁止する
「1億総火の玉」「玉砕」のような阿呆
を正当化する思想はダメ
これからは、そういう大日本帝国的な
歪んだイデオロギーではなく日本人個
々がそれぞれの誇りを見い出せ。
日本帝国政府は、この指令の規定に
従って取られた措置の詳細を記述し
た包括的な報告を・・
1946年3月15日までに本部に提出
することとされている。
日本のすべての政府関係者、都道府
県庁、市町村
従業員、教師、教育関連職員、市民
および日本に居住する人々は、この
指令の規定の文言と精神を遵守する
個人的な責任を負う。
この文書は、日本国家から神道を分離し
神道の実践に対する国家支援を停止(国家
神道の停止)することを目指す。
宗教的自由を保証し、神道を軍国主義的
または国家主義的目的に悪用することを
防ぐために、連合国軍最高司令官(SCAP)
により発行された指示を概説している。
(神道指令全文 ここまで)
神道指令 まとめ
神道指令はじめ歴史的政策は道徳的でも
不道徳でもなく、無道徳的解釈が必要で
はないだろうか?
つまり、陰謀論のような善悪二元論的な
偏った解釈では陰謀論に踊らされるだけ
になるからだ。
悪魔のような支配者から、家族を守ろう
としている「善人のわたし」に酔いしれ
ても何にもならない。
証拠を確認出来る危機から家族を守ろう
とするより、目の前の家族に「ありがと
う」を伝えた方が良いと思う。
誤った知的好奇心が不信感、不安、恐怖
、死への恐れから来る怒り、対立、分断
を引き起こすと思うからだ。
「神道指令」
これは、日本人から神を奪い、愚民化
させるなどという陳腐な陰謀論的政策
ではない。
単純に、軍国主義の大日本帝国による
神道の軍事利用という体制から大きく
距離を置く一助となった指令だ。
歴史を学ぶ=感謝を学ぶ
「パワースポット巡り」
「御朱印集め」
こんな平和なレジャーも、神道指令の
賜物というわけだ。
負の側面を仕掛けられるままに見るの
ではなく大好きな神社に訪れる際には
・・
鳥居の前で神様と神道指令にペコリ
とおじぎして感謝してはどうか?
そちらの方が、人として大切なこと
ではないだろうか?
「歴史を学ぶ=感謝を学ぶ」
これは声を大にして言いたい。
そして・・
戦勝国が敗戦国を統治下に置くという
事実と、支配という一個人の感情が含
まれた表現は全くの別物だ。
我々は、このように世界を観る際には
感情的ではなく無道徳的観点から捉え
る必要があると考える。
こうして、神道指令と向き合うだけで
戦前日本の印象は変わるはずだ。
歴史に対する多面的で冷静な観点は、
過去を理解し、現在や未来に対する洞
察を深めるには不可欠だ。
歴史の学びから得られる教訓は、我々の
公正で平和な世界を築くために不可欠だ
と思う。
日本は善、GHQは悪
こう考えた方が楽だろう。
しかし、そういう解釈を仕掛ける側の
意図が隠れていることを忘れてはいけ
ない。
我々には自由意志がある。
我々は、他人に踊らされるために
生まれてきたのではない。
陰謀論に傾倒するのではなく、自ら積極的に
情報を探求し、多角的に考える姿勢が大切で
はないだろうか?
現代の日本人は「自由意思」というものに
関して各々がフラットに、深く洞察する必
要があると考えている。